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FileMaker ProとPro Advancedはどちらを使えばいいのか

初めてFileMakerを触れる方にとっては難しい選択

FileMakerのクライアント&開発ソフトとして、ProとPro Advancedがあります。その名前の通り、Advancedの方が高機能で、価格も高くなっています。作成できるデータベースの内容はほとんど一緒です。

※17以降では、ProとAdvancedが一つになり、事実上Pro Advancedだけとなりました。

Advancedだけにある機能を挙げてみましょう。

スクリプトデバッガ

スクリプトとは、データの内容を編集したり、計算したりというさまざまな処理を自動化して、データ入力などの効率化を図る機能です。データベースを作成し、もっとも多いミスはスクリプトの設定です。通常スクリプトを実行するとPCの処理速度に合わせてどんどん処理されていきます。スクリプトが間違っていた時に、どこで間違っていたのかを探すのは意外に骨の折れる作業です。

スクリプトデバッガはそのスクリプトを少しずつ実行させ、どこに問題があるかを探し出すのに非常に有効なツールです。

これがあるのとないのとで、テストにかかる時間がかなり変わります。また、なければ、どこに問題があるのかが何時間も見つけられないということが起きるでしょう。

データビューア

データビューアには3つの機能があります。1つはスクリプトの対象になるフィールドや変数の値がどうなっているかを取得します。変数とは、一時的に保存できる値で、開発者から見せようとしない限り、見えない値です。

2つ目はこの変数を書き換えられる機能です。変数を書き換えられることによって、いろいろな場面でのスクリプトの挙動を見ることができます。

3つ目は監視という機能です。計算式を設定して、その計算式の挙動を見ることができます。また、どこかに設定したい計算式をここで試すこともできます。計算式は関数や四則演算などを組み合わせて、値を返すものです。

テーブルの定義をコピー

データベースにデータを格納するための箱であるテーブルの設定を行うときに、だいたいこれだけは設定しておいた方がいい項目というのが存在します。それを他のテーブルからコピーすることができます。

まとめ

他にもAdvancedしかない機能はありますが、大きいところではこういうところになります。最初に「初めてFileMakerを触れる方にとっては難しい選択」と書きましたが、これはこれからどんなことをするかよく理解できていない段階で、これを選択しなければならないので、難しいということです。

一つ言えるのは、これから業務で使用するデータベースやシステムを作成していくつもりの方は、Advancedを選択した方がいいでしょう。Proは作成されたデータベースやシステムを利用する「クライアント」が使うものと思ったほうがいいかもしれません。

※現在発売されているFileMakerでは、ProとAdvancedの区別がなくなり、統合されてProだけになりました。