社内での手続きを見直せば、誰もが仕事が楽になる
働き方改革」が叫ばれる昨今。しかし中小企業ではそんなこととは無縁とは思っていませんか? むしろ中小企業は組織が小さいからこそ、決断が早く、小回りが利くのでできることが多く、やり始めると意外に改善ができることも。
大企業との違いは、得てして中小企業は、人に対しての依存度が高く、その人が辞めてしまうととたんに社内が騒がしくなってくる。といったように、その人がしている仕事を一人だけで行っている場合が多く、それが、業務改善の足かせになっている場合も多くあります。
どうしても一人だけで仕事を受け持っていると、どうしたら効率的にできるか、といった部分に重きが置かれなくなり、工夫すれば残業にならずに済むのに、「残業代が稼げるからいいや」とそのままに。それが自分一人だけの問題ならともかく、たいてい他に波及していくものです。
社内の書類はすべてなくす方向がベース
働き方を変えるには、まず無駄な業務をなくしていく、業務改善がスタートになっていきますが、最も無駄が多いのは「仕事」そのものではなく、社内での書類や手続き、ルールなどです。
特に、総務・経理といった間接部門は、社内のルールを複雑化したり、書類を増やしたりといった行動をとりやすい部署です。
まずはそういった部分から手を付けていきましょう。基本的な考え方は、社内の書類は基本的にすべてなくす、ということです。
そういった場合は、電子化です。特に、上司などのハンコを必要とするようなワークフロー系の書類は特にです。また、報告書の類も本当に必要なものかを精査していく必要があります。
さて、書類がらみで無駄なパターンとしてあるのが、ほかの資料を見れば済むのに、再度別の書類に記載をさせるケースです。具体的な例を挙げると、グループウェアによって、スケジュールの管理がされているにもかかわらず、就業報告書を提出させるようなケースです。
グループウェアを開いて、確認すればいいわけですから、簡単です。たいていのグループウェアにはスケジュールをエクセルやCSV形式でエクスポートする機能がついているはずです。これをエクスポートすればいいだけなのに、なぜか、別のフォーマットがあり、記載させて、提出させたりします。その書類には、代替えやこの例のように、グループウェア上で確認が済むような場合がないかどうかを洗い出していく作業が必要でしょう。
また、冒頭である仕事を一人だけで行っている、という話がありました。これを解消してみるだけでも、業務改善につながるケースもあります。二人・複数で同じ仕事をすることによって本当はする必要がないような仕事をしているケースが見つかることがあるからです。
こういった事務を担う人が社内に一人しかいないような場合は別ですが、事務を行っている人が複数いるにもかかわらず、総務、経理、営業サポートといった形で分けている場合は、横断的に業務をこなせるような形を整えることが、業務改善を行うスタートかもしれません。一人だと、本当に無駄な業務が見つかりにくい場合もあります。こういった場合も複数なら見つかりやすいでしょう。