FileMaker(ファイルメーカー)は、システム開発のDIYができるソフトですが、時間的な制約や、技術・経験の不足、作成するAppの規模・内容などによって、自分たちだけでは開発が難しい場面も出てくるでしょう。
今回は、そんなときに開発を委託する場合に、スムーズに依頼をすることができる方法をご紹介していきたいと思います。
なぜ、スムーズに依頼しなければならないのか
なぜ、スムーズに依頼することを依頼する側が意識する必要があるのかと思われる方もいらっしゃるでしょう。
例えば、依頼する側が特に何の準備をしなくても、受託する側(デペロッパ)が、必要な情報を聞いてくるでしょ、と思われるかもしれません。確かに、必要な情報は聞いてくれるでしょう。
しかし、依頼する側が、なんとなく依頼をした場合、ヒアリングに時間がかかることになります。
まず、委託する費用について考えてみましょう。
受注から完成、納品までデベロッパ側が行う業務としては、下記のようなものがあります。
- どういったAppを作りたいのかをヒアリング
- 要件をまとめて、見積り
- (受注後)開発
- テスト&レビュー(Appを見てもらい改善点などをヒアリング)
- 改善・変更
- 納品
大まかにはこのような流れになります。
それぞれの工程にどのくらいの時間と人を費やす必要があるのかを、デベロッパは見積り、Appの価格として見積もりを行います。
その見積額に反映される大きな要素として、下記があげられます。
- お客様とのやり取りの多さ
- Appの機能の規模等
- お客様の会社の体制(社内でコミュニケーションがよくとれているかどうか)
- 後出しじゃんけんが多そうかどうか
このような要素によって、同じAppを作るにしても委託するがの体制などによって見積額は変わってくるのが、このIT系の開発の大きな特徴といえるでしょう。
上記にリストアップした要素の中で、「App本体の規模等」は規模が大きければ、作業時間も増えますので、見積額に反映されるのは当然です。しかしそれ以外の項目は、委託する側の「準備」や社内のコミュニケーションが反映され、同じAppを依頼しても依頼する側がどういう会社かによって異なってくるわけです。
簡単に言うと、Appを依頼するためにどういったAppなのか、社内でしっかりとコミュニケーションをとって、事前に準備を行ってから相談をしてくる会社と、なんとなく頭の中だけで思い描き声をかけてくる会社とでは、見積額が変わってくるということです。
見積りをする上で、不確定な要素はできるだけ排除されていた方が、余分なものが少ない、つまり安い見積りを作成できます。
見積り額にはバッファが搭載されている
バッファ=余力です。物を購入するときのような見積りではない、不確定な要素もこういった開発の見積もりでは、考慮されることになります。
例えば、App開発後、「いや、やっぱりここはこうしてほしい」「あれも足してほしい」などといったやり取りがあるのは想像がつきます。その時に、ギチギチの見積もりだと、デベロッパ側が損をしてしまう形になるかもしれません。そうならないようにデベロッパとしては、その分が見込まれた見積もりを作りたいわけです。
見積りは、App開発にかかる時間×人件費と基本的にはなります。時間がかかりそうだなと思えば、見積りは増えますし、そうではないと思えば減ります。
これが、先ほどの「準備」「コミュニケーション」がしっかりしている会社と、そうでない会社では、不確定な要素、今後出てくるかもしれない要素が多いと思うのか、少ないと思うのかでバッファ量が違ってきて、見積りにも影響します。
スムーズに開発を行ってもらうには
このように、スムーズ=事前準備をしっかりしておく、ことが開発費用として反映されることはわかっていただけたでしょう。
デペロッパに相談する前に、社内でどういったものが欲しいのかをしっかりと話し合い、意思統一として、できれば簡単な資料も作ったうえで、相談・依頼を行うことが大切です。
具体的にどういった形で進めていけばいいかは、またの機会にご紹介できればと思います。