FileMaker Serverを運用して、FileMaker ProやFileMaker Goからホストされているファイルを開く場合、基礎的なネットワークの知識は不可欠です。ここでは、FileMaker Server運用に最低限必要なネットワークの知識を解説していきます。
FileMaker Serverのファイルを開く条件(ネットワーク的)
ネットワークには、インターネットとローカルネットワークがあります。インターネットは「外」、ローカルネットワーク「内」と表現されることもあります。
ローカルネットワークは、オフィスや家庭内といった限られた範囲のネットワークです。通常、ローカルネットワークからインターネットにはアクセスできますが、その逆はできません。それは、ルーターなどのネットワーク機器がそのように機能しているからです。
オフィス内に設置したFileMaker Serverには、オフィス内のパソコンからは接続できますが、社外からFileMaker Goを使い、4Gなどのモバイルネットワークを通じてオフィスのFileMaker Serverに接続することは通常はできません。ルーターに特別な設定が必要になります。
オフィスのFileMaker ServerにFileMaker Goで接続するには、オフィスにあるWi-Fiルーターに接続した端末から接続すればできます。(ルーターの設定によってはできない場合あり。ブリッジモードであれば基本的には接続可能)
FileMaker Serverのファイルを開く条件としては、同じネットワーク内にあるか、インターネット上にあるかという条件が必要になります。
同じオフィス内でも、別々のWi-Fiルーターに接続していれば、別のネットワークとして認識されることもありますので注意が必要となります。
IPアドレス
IPアドレスはネットワーク上の住所です。サーバーに接続する場合、このIPアドレスを指定して通信を行います。サーバーのIPアドレスが分かっていないと、接続することができません。
FileMaker ServerのIPアドレスは、AdminConsoleで調べることもできますし、「スタート」→「設定」「ネットワークとインターネット」→「プロパティ」から調べることができます。
ポート
IPアドレスを住所と表現しましたが、ポートはマンションの部屋番号といっていいかもしれません。パソコン、サーバーをマンションと例えると、そのマンションの住所が分かっても、部屋番号が分からないと目的の人に会うことはできません。ネットワークの通信もIPアドレスとポートが分からないと、接続することはできません。
FileMakerのデータなどの通信は5003番、ブラウザを使っていろいろなホームページを見る場合は80か443番、AdminConsoleは16000番というようにポート番号が決まっています。
ホスト名
IPアドレスは、数字の羅列なので、覚えづらく電話番号のように、語呂合わせで覚えることも難しいです。
これを解決するものとしてホスト名というものがあります。「××.com」「○○.jp」がそれになります。この「××」「○○」は、何かしらの単語になっている場合が多く、会社の名前であったりして、IPアドレスよりかは覚えやすいと思います。
FileMaker Pro、FileMaker GoからFileMaker Serverに接続する際には、IPアドレスか、ホスト名を登録して接続します。
ホスト名での通信
ホスト名で接続しようとしても、最終的にはIPアドレスで通信します。
インターネットには、DNSサーバーというものがあり、そこに、「××.com」=「IPアドレス」を設定しておきます。すると、「××.com」で接続しようとしたときに、DNSサーバーはこのIPアドレスだよと教えてくれて、通信ができるのです。