安定稼働させるためのメンテナンス
サーバーにはメンテナンスは必須です。FileMaker Server(ファイルメーカーサーバー)にあってもそれは同様です。24時間365日連続して稼働させ続けることはできません。では、メンテナンスとはいったい何なのか、何をすればいいのかという基本的なことをこの記事では取り上げます。
一言でメンテナンスといっても、いろいろあり、安定稼働に必要なもの、セキュリティ上のモノなど多岐にわたります。また、このメンテナンスによって、オンプレミス(自社内にサーバー機を置く)の場合では、サーバー機の買い替え時期などの参考にもしていきますし、サーバーのスペック変更時の参考にもします。
基本的なメンテナンスの業務
基本的なメンテナンスには次のような業務があります。
- OSのアップデート(Widnows Update)と再起動
- SSLサーバー証明書の更新
- バックアップの確認(または、バックアップのバックアップ)
- ログのチェック
- ディスク容量のチェック
- ハードウェアの状態チェック(オンプレミス)
これらは、最低限やっておきたいメンテナンスです。下記にて、具体的に何をするのかを解説していきます。
メンテナンスしないとどうなるのか
では、メンテナンスをしないとどうなってしまうのでしょうか。
端的に言えば、安定稼働しなくなる確率が高くなります。また、何らかの原因で、サーバーに不都合があった場合に、バックアップがなかったということになれば大変ですし、ディスクの容量が不足してAppで何もできなくなってしまうこともあります。
最近のFileMaker Serverでは少なくなりましたが、再起動しないまま、使い続けると、データが書き込めなくなったり、動作が不安定になるなどの事象も起きてきます。サーバー機の再起動は、安定稼働させるための必要条件の一つです。
OSのアップデート(Widnows Update)と再起動
Widnows Updateは月1回ある、定期的なOSのアップデートです。このアップデートには、セキュリティ上のリスクに対応したプログラムや、不具合に対応したプログラムが適用され、OSの安定性と、セキュリティの向上を目的としています。よって、特段の事情がない限り、月1回、このアップデートを施すのが、無難です。
このアップデートは、まれに別の問題を引き起こす可能性がないとは言えないので、配信が始まってからすぐに行うのではなく、月の後半に主に行うのがいいでしょう。
また、再起動は定期的に行うことによって、FileMaker Serverをリセットし、安定するという効果もありますので、おこないましょう。
FileMaker Server再起動の主な手順
FileMaker ServerとAppが稼働したまま再起動すると、ファイルが壊れたりする原因になりますので、下記の手順で、再起動するのがおススメです。
- AdminConsoleを開く
- 接続しているクライアントを解除
- ファイルをすべて閉じる
- 「構成」タブにて、データベースサーバーの停止を行う
- 「コントロールパネル」→「管理ツール」→「サービス」でFileMaker Serverを探し停止する
- Windowsを再起動
SSLサーバー証明書の更新
オンプレミスの運用で、ローカルネットワークからしか接続しないケースでは、設定しないケースを選択される方もいらっしゃるでしょうが、クラウド運用(AWSなど)では、必須です。
失効しないように、注意しましょう。最近のFileMaker Serverでは、近くなってくるとお知らせしてくれます。
バックアップの確認(または、バックアップのバックアップ)
最近のFileMaker Serverでは、自動的にバックアップを取ってくれますが、そのバックアップは、サーバー機内に保存されているので、サーバー機が故障したときに困ってしまいます。
バックアップをする目的は、ファイルが壊れた時にロールバック(巻き戻し)するためと、サーバー機が故障し、ファイルを失ってしまったときのためというのが、主目的です。
後者の場合、バックアップを別のNASか何かに保管しておかないと、復旧できなくなってしまいますので、バックアップは必ず、物理的に別なストレージに保管するようにしましょう。
BunBackupなどのツールを利用して、外部に保存するようにしましょう。また、定期的にそれらが機能しているかを確認しておきましょう。
ログのチェック
最近のFileMaker Serverでは、複数回連続してパスワードを間違えた場合、アカウントがロックされますが、不審なアクセスがないかの確認は必要です。
AdminConsoleの「構成」→「ログ」でダウンロードできますので、定期的にチェックしましょう。
ディスクの容量チェック
意外に重要なのが、ディスクの容量チェックです。
ディスクは満タンになってしまうと、それ以上データを受け入れられなくなるのは当然です。業務に支障をきたすことになってしまいますので、常に気にかけておきましょう。
ハードウェアの状態チェック(オンプレミス)
オンプレミス環境では、ハードの故障にも気を配る必要があります。異音がしないかなど、チェックしておきましょう。
また、診断ツールなどもありますので、それらも活用していきます。
簡単に、基本的なメンテナンスについて解説していきました。