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失敗しないFileMaker+FileMaker Serverバージョンアップの流れ

FileMaker Server運用、管理、導入 FileMaker Server

こんにちは!

FileMaker(ファイルメーカー)は、近年は毎年バージョンアップが実施されます。

バージョンアップするごとに新機能も増え、セキュリティ、パフォーマンスも向上していきますので、できれば最新のバージョンを使いたいところです。

本記事では、そんな失敗しないバージョンアップの方法について解説していきます。

前提

この解説記事では、こんな状況を想定して書かせていただきます。

まず、社内利用で1部署~社内全体でFileMakerを利用していて、FileMaker Serverも利用しているというケースです。

こういった場合、いきなり「バージョンアップしたい!」といって、できるものではないということだけは覚えておきましょう。

事前準備

まず、バージョンアップの目標を決めておきましょう。

近年、FileMakerの最新バージョンが発売されるのは、5~7月ごろになります。しかし、リリースされたバージョンをすぐに使うのはあまりおススメできません。やはり、FileMakerに限ったことではありませんが、さまざまな不具合・バグなどを抱えているケースが多いからです。また、バージョンによっては、機能が削除されたりすることもありますので、少し様子を見守っておくというのがいいでしょう。

いろいろな準備も必要ですから、リリース後5、6か月後を目標に計画を立てておくといいかと思います。

例えば、5月リリースの場合は、年内に行うという感じでしょうか。ただし、12月に入ってしまうような場合は、年を越した方がいいケースもありますので、無理に年内にしなければならないというのは避けたほうがいいでしょう。

特に、正月に稼働する部門がある場合は、特に避けるべきだと思います。やはり、正月は休みたいですから、何か起こる可能性のあるバージョンアップは避けるのが賢明です。

できれば、11月中に終えられるように動いていきましょう。

手順

事前準備としてまずは、手順を策定しましょう。主な手順は下記の通りです。

  • エンジニア(開発担当者)のFileMakerProをバージョンアップ予定のバージョンに変更しておく
  • 現FileMaker Serverと同じバージョンのFileMaker Serverをテスト用に作成
  • FileMaker Serverのバージョンアップをテスト環境で実施してみる
  • 現アプリ(FileMakerデータベース)をテスト環境で動かしてみる
  • バージョンアップの実施日を決定、通知
  • バージョンアップの実施

主な内容はこのようになってきます。

まずは、エンジニアのFileMaker Proだけバージョンアップしてみる

まず最初に行うのは、バージョンアップ作業を実施するエンジニアのFileMaker ProやFileMaker Goといったクライアントソフトをバージョンアップしてみることです。

この時に、ユーザーが自分のPCなどにインストールされているFileMaker Pro、FileMaker Goを自分でバージョンアップできるように、手順を記録しておき、できればスクリーンショットなどを撮っておきます。

もし、エンジニアが業務も兼任しているような場合には、そのFileMaker Proで業務を行ってみて、アプリなどに問題がないかを確かめてみます。

FileMaker Serverのテスト機を作成

次に行うのが、現在運用しているサーバーとは別にFileMaker Serverをインストールするサーバーを用意します。

この時のFileMaker Serverのバージョンは、現在運用しているものと同じものをインストールします。

この目的は、バージョンアップ当日に行うFileMaker Serverのバージョンアップ作業のシミュレーションです。また、場合によっては、FileMakerデータベースファイルを動かす場合もありますので、それにどのくらいの時間がかかるかなどを調べて、当日のダウンタイム(停止時間、バージョンアップ作業にかかる時間)をあらかじめ知っておくことができます。

現場が気になるのは、どのくらい業務に使えない時間があるのかということです。ダウンタイムをあらかじめ知っておくことで、バージョンアップ作業中は別の作業をしたりといったことも可能になります。

また、データ移動は、実際にやってみないとどのくらい時間がかかるかが変わらない部分もありますので、新しくサーバー機を作り直す場合は必要な工程です。

さらに、バージョンアップ時にやらなくてはいけないことを知っておくことも重要です。例えば、Web公開を使っている場合は、その設定、メール通知の設定などいろいろとありますので、何が自動的に移行されて、何が移行されないのか、スケジュールなどはどうかなどを知っておくのは本当に重要です。当日に、あたふたしないようにしっかりと「やってみる」のは大切です。

FileMakerファイルの確認

次に、テスト用に作ってみたFileMaker Serverに今のファイルをアップロードしてみて、スクリプトなどが思った通りに動くかどうかもチェックしましょう。

できれば、全機能、全レイアウトを確認するのが理想ですが、複雑なスクリプトや、ハードに依存する関数などはしっかりテストしておきたいところです。

また、FileMaker Goを使っている場合は、そのバージョンも変わることになります。FileMaker Goはバージョンによって、使い勝手、挙動が多少変わることもありますので、その点もチェックします。

今まで見えていた、フィールドが見えにくくなったり、隠れたりなんてこともあります。

バージョンアップの実施

これらのテストを経て、ある程度確認ができたら、バージョンアップ日を決めます。決めたら通知しましょう。このバージョンアップ日は、通常休日の前の日には行わない方がいいでしょう。

世の中には、さまざまなサービスがありますが、たいていの場合メンテンナンスでダウンタイムがある場合は、火曜日か水曜日に行われることが多いです。これには理由があります。

水曜日にメンテナンスを行う場合、月曜日、火曜日で準備と最終確認を行い、水曜日にメンテナンスを実施、何か問題があれば、木曜日~金曜日に対応を行うということになります。木曜日、金曜日と2日運用すれば、問題があれば発見できることが多いからです。金曜日までに対応がすめば、土日はしっかり休むこともできるでしょう。

バージョンアップ作業は、FileMaker Serverを扱う上で最も大切な工程です。失敗すると大変なことになりかねませんので、しっかり準備しておくことが重要です。