こんにちは!
今日のテーマは、サーバー機(実機)のリプレース時期についてです。
FileMaker Serverを運用するにあたり、サーバー機は何年で入れ替えるべきなのかというのは、結構迷うところだと思います。
あまりにもスパンが短くてもコスト面でかなり不利になりますし、長いと「いつ壊れるかわからない」という恐怖と闘わなければなりません。
この記事では、いろいろな面からベターな交換時期について解説しています。
FileMakerのバージョンアップ
まず考えるのは、FileMakerのバージョンアップです。FileMakerのバージョンアップは、最近は必ず年1回あります。
ですから、あまりこれを気にする必要はありませんが、サーバー機のリプレースのタイミングとしては、FileMakerのバージョンアップの時期に合わせるのが一つの目安です。
サーバー機をリプレースするときに、リプレース前のバージョンとリプレース後のバージョンは変えたほうがいいでしょう。せっかくリプレースするのですから、バージョンも変えてしまいます。
サーバーの部品で壊れやすいものは?
サーバーといっても、基本は普通のパソコンと構成部品は変わりありません。
では、何が違うかというと、耐久度が違います。部品に使用されているものが普通のパソコンとは異なり、24時間365日稼働しても耐えられるように設計されたものが使用されています。
24時間動かしておくサーバー機ですから、普通のパソコンに比べて3~4倍稼働しています。それに耐えられるのがサーバー機です。
しかしながら、そんなサーバー機でもいつか壊れる時が来ます。
さらに壊れやすい部品というのも存在します。
昔は、ハードディスクが壊れやすい筆頭株主でしたが、SSDが増えてきたことにより、電源が筆頭株主となりました。昔も電源は壊れやすい部品の一つでしたが、SSD搭載機では、壊れやすいと言えるのは電源だけといってもよくなってきました。とはいえ、SSDも壊れないわけではありません。
ただし、今でもハードディスク搭載機はありますので、その場合は、ハードディスクも壊れやすい部品に入ってくるでしょう。
これらの寿命を考えることで、交換時期が見えてきます。
寿命はあてにならない
ネットで検索をすると、寿命は5年と書いてあったとします。これはあくまでも平均なので、極端な話1~2年で壊れることもあれば、10年持つこともありあまり参考にならないかもしれません。
さきほどSSDは高寿命といった感覚をお伝えしましたが、サーバー用のSSDでも自分が管理していたもので1年で壊れたものもあります。
というように、この寿命からリプレースする時期を考えるのは難しい場合もありますし、確実とは言えません。
ただし、私の体感ではやはり5年を超えると故障する率が上がるように思えます。とはいえ、5年程度で壊れるサーバー機はそれほど多くはないので、7年が一つの目安になると思います。
7年もう一つの根拠
先ほどは部品面から7年くらいではないかということでしたが、別の視点から見ていきます。
それは、サーバーOSの寿命です。
Windows Serverのリリースからサポート期限まではだいたい10年程度です。
しかしながら、一般レベルではリリース直後にいきなり最新OSを使うということは少ないですし、FileMaker Serverがサポートしていません。1年~2年くらいサポートするのに時間がかかります。
現在のWindows Serverの最新は2025(2024リリース)ですが、現在のところFileMaker Server2025では、サポートされていません。おそらく、FileMaker Server2026で、サポートされるのではないでしょうか。
だとすると、FileMaker ServerがサポートしてからWindows Serverのサポート期限まで8年くらいとなります。サポートされたのを確認してから、リプレース計画を立てると、残り7年程度というが現実的なラインでしょう。
こういったとこからも、長くても7年というのが現実ラインだと思われます。
冗長化は、サーバー機の延命には関係ない
冗長化とは、RAIDを利用して、ストレージ(ハードディスク、SSD)を二重化して一つが壊れてもシステムが稼働する状態を作ったり、電源を2つ搭載して、一方が壊れても稼働する状態を作ることです。
こう聞くと寿命を延ばせるのではないかと思われるかもしれませんが、冗長化の目的は、部品が壊れても、直す間でもサーバーを稼働させるということです。
ちなみに、部品は増やせば増やすほどサーバー機になにかしらの故障が起きる確率は上がります。
例えば、1年で故障する確率が100%の部品があったとします。
この部品が一つの場合は、1年間で1回必ず壊れることになります。
2個ある場合は、1年間で2回必ず壊れることになります。
つまりサーバー機に何らかの故障が起きて対処しなければならない回数が、部品が多くなるほうが多くなるわけです。
ですから、延命という意味で冗長化をとらえると、年数が経つごとに故障率も飛躍的に上がっていくということです。年が経つとサーバー機の管理がどんどん大変になっていきます。
あくまでも冗長化は、サーバー機を修理したり、交換までの時間を稼ぐ手段ということになります。


